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オリンパスOM2SP スポット・プログラム
25 水曜日 1月 2017
Posted by 80sourdecade in All Posts, オリンパス, カメラ≈ コメントする
タグオリンパス, ズイコー, 米谷美久, OM2SP, OMシリーズ
Olympus_OM-2_Spot_Program.jpg
オリンパスOM2SP スポット・プログラム
オリンパスがOM4とOM3でマルチスポット測光を確立させると、その次に投入したのが、プログラムAEでした。
私が早々とオリンパスを捨てて、キヤノンに移行した理由は、既にプログラムAEを達成しており、マウントが完成している様に思えたからで、事実、後のT90のあの高度なメカも、一切マウントに手を加える事無く、達成しています。
ソレに対して、ボディー側からレンズの絞りを駆動する機構を持たないオリンパスは、遅かれ早かれ行き詰まるのは目に見えていたからでした。
オリンパスOMシリーズというと、あの米谷美久氏の設計で有名でしたが、自分自身がユーザーであることもあり、アクセサリー群の互換性が大変に上手く保たれているのが特徴でした。
そんなオリンパスだからこそ、時代の要求であるプログラムAEを達成するのに、マウントに手を加える事無く達成したのが、84年に登場した、このOM2SPだったのです。
シャッターを押すと、ガバナーを介して絞り込み、所定の絞り値に達した所でロックが掛かり、後はその絞り値に対して、TTLダイレクト測光で絞り優先AE的にシャッタースピードを決める、言ってみればミノルタやニコンが採用していた「瞬間絞り込み測光」の一種でした。
ミノルタもニコンも、この瞬間絞り込み測光を達成する為に、マウントに手を加えていますが、オリンパスの場合、従来のレンズでそのままプログラムAEが使えるのが特徴でした。
ただ、オリンパスOMマウントには、開放F値を設定する機能が無い為、レンズの開放F値によって、プログラムラインがシフトしてしまうという問題も、同時に抱えていました。
そしてマウントは変更していないとは言っていますが、非公表ながら、この時期、絞りの設計を変更しているそうです。
更に、名前の示す通り、スポット測光も内蔵されていますが、コチラはマルチスポットではなく、通常の一点スポットで、マニュアル時のみになります。
オリンパスは、TTLダイレクト測光を柱にしていた関係上、AEロックが使えません。それ故に、スポット測光はマニュアルのみ・・・という事になったのでしょう。
先のOM3とOM4は、従来のOM1、OM2に比べ、かなり割高な機種で、直接の後継機とは言えませんでした。そこで、このOM2SPが登場した訳ですが…。
どうも孤高の存在として輝いていたOM2に比べると、イマイチな雰囲気がついて回った気がします。シャッター音一つ取っても、OM2のソレと比べると、何とも間延びした感じがしたものです。
更に完成度が高いとは言えないプログラムAEの導入も、どこか安っぽいイメージを与えてしまった気がします。
後にOM40が、更に安い価格でプログラムAEを内蔵したことも、このカメラを中途半端な立ち位置にしたことでしょう。
どうせなら、完成度の低いプログラムAE無しで、OM2にスポット測光を内蔵した様なカメラ「OM2S」にしていれば、また評価も違ったのかも知れません。
後にOM4は、OM4Tiになり、OM3も一度生産中止後にOM3Tiとして復活し、長年生産されたのに対して、OM2SPは短命に終わっており、オリンパスの中でも、無かったことにされてしまっています。
新たに出た上級機種に侵食され、新たに出た下位機種にも侵食され、更に自身のイメージもイマイチ…定評ある機種のモデルチェンジの難しさを端的に表した例だと言えるかも知れません。
あとは当然、翌年登場したミノルタα7000の影響も大いに受けたことでしょう。
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